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GrouchoSpeaksのマジカル・ミステリー・レビュー!

キャプテン・ビーフハート『トラウト・マスク・レプリカ』獣のように犯されたい!?その前に聴け!GrouchoSpeaksの名盤紹介!

Captain Beefheart And His Magic Band - Trout Mask Replica


「わしを獣のように犯してくれんかな」


中島らもが初めて就職した印刷屋の
先輩籾井さんの発言である。

籾井さんが営業先の会社から出てきて
営業車の助手席に座り、
車を運転する中島らもに発せられた言葉。


中島らものエッセイにはよく
同じような話が出てくるが、
確か『頭の中がカユいんだ』と
『砂をつかんで立ち上がれ』という本に出てくる。

俺はそんなセリフをはく
先輩籾井さんのことを笑った。
学生時代のことだ。

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Captain Beefheart His Magic Band - Trout Mask Replica


が、ある時、籾井さんの気持ちがわかるような気がした。

断っておくが、俺はノーマルでSMの趣味もない。
適度なSっけとMっけが同程度に混じった女性を愛する男だ。


もちろん籾井さんもホンマに中島らもに
獣のように犯されたくは思っていなかっただろう。
だが、ふと言葉に出てしまったんじゃないだろうかと推察する。


この言葉を発した時、
籾井さんと中島らもは仕事で
大チョンボをしてしまっていたのだ。
1万部の刷り物を間違って
10万部刷ってしまったのだ。
桁が違う!

相手の会社とは言った言わないの戦いがあり、
自分の会社には内緒にしなければならないし、
ああ、鬱陶しい邪魔くさい
俺なんかいなかったらこんな事にもならなかったのに!
などと自暴自棄になられていたんだろう。


自暴自棄にならない人っているのか。


俺は根拠のない自信だけで
新卒で広告業界に入り、
俺の個性を広告にしたら
話題になり売れるに違いないと思って仕事をしてきた。

が、世間はそんなに甘くはなく、
最も信じていた自分自身に煮え湯を飲まされ、
いや泥水の熱湯を飲まされた。

広告の仕事が嫌に、社会が嫌になって、
どうにでもなりやがれ!くそ!と泥酔し、
大阪駅に入ってきた回送電車に頭突きを食らわせた。

そしてあくる日の朝、二日酔いの状態で、
中島らものエッセイの籾井さんの言葉を思い出した。


「わしを獣のように犯してくれんかな」


俺を全否定した結果、
俺がどんな風になるのかやってくれるならやってくれ!
という自暴自棄になった時に思い出した。


だが、先にも書いたとおり、
俺は性的には普通の人間だし、
女性しか愛せない。


そうだな新垣結衣に任せたい。
新垣結衣が獣のように俺を犯してくれんかと妄想する。


そんな夢のような出来事がおこるか!
快楽でしかないやないか!



俺にもそれぐらいのことはわかっている。
でも少なくとも男には獣のようにじゃなくとも
優しくても犯されたくはない。


俺が自暴自棄になった時、
よく聴くアルバムがある。


それがキャプテン・ビーフハートの傑作
『トラウト・マスク・レプリカ』である。



自暴自棄時にかける俺の心の中のベストテン作品は
『トラウト・マスク・レプリカ』が
ぶっちぎりの1位である。


初めて、『トラウト・マスク・レプリカ』を
聴くようになったのは大学生時だった。
フランク・ザッパを本格的に聴き始めてから、
時間はかからなかった。


フランク・ザッパがプロデュースしてということで、
『トラウト・マスク・レプリカ』を聴いてみたいと思ったのだ。


聴いてみて、いやちょっと慣れるまで時間がかかったが、
もしかすると天才フランク・ザッパの作品よりも
いやどんなアーティストの作品よりも
『トラウト・マスク・レプリカ』は
ダントツに突き出て傑作
ではないかと思うようになった。


ちなみにこの妙なキャプテン・ビーフハートという芸名は
高校時代から友人だったフランク・ザッパが
本名Don Van Vliet(ドン・ヴァン・ヴリート)に名づけたものだ。
たとえ芸名だとしても常人ではない。
直訳すれば、牛心隊長・・・?


初めて買ってこの作品を聴いた時のことをはっきりと覚えている。

これはキ◯ガイの音楽だと。

リズムがめちゃくちゃで
バンドメンバーがてんでばらばらに
各々の楽器をかき鳴らしていると思ったからだ。
騒音だと思った。


正直このアルバムを1枚通して聴くことは
最初苦痛だった。


それがふぐの毒にびびりながらも、
どうしてもふぐの味が忘れられず、
砂浜で顔から下を埋められて解毒するという
誤った解毒方法まであみだしてまで、
どうしてもふぐが食べたいと
食べ続けていまやふぐの毒を取り除いて
食べることに成功した人間のように。

いや本当のふぐの通はしびれながらも肝を食うそうですが。


俺もふぐの魅力にとりつかれた人間と同じなのか。

年に1度は聴いてみたくなる魅力を持っているのである。
おそらく毒である。
だが、聴くうちに
この作品を受け入れられる身体になったのである。


そして今では自暴自棄になった時、
CDのキャプテン・ビーフハートの棚から取り出して
大音量で聴いているのである。


『トラウト・マスク・レプリカ』には
予定調和的なメロディなんてない。
Jポップなどを聽いている人は
正直、1曲目を聴いただけで
拒絶反応を示すのではないだろうか。


最初、この作品に出会う前に
この作品の噂をどこで仕入れたのか忘れたが
それが本当だと真に受けていた。


それはキャプテン・ビーフハートが弾いたことない
ピアノで作曲し、それに合わせて
バンドメンバーが各々その場で
楽器をかき鳴らした即興を録音したというものだった。


しかもその即興の演奏を聴いていた
プロデューサーのフランク・ザッパは衝撃を受けて
自分のバンド(マザーズ・オブ・インベイジョン)を
解散させたというものだった。


この噂を信じて初めて聴いた時、
その噂通り即興演奏なのだろうと思うしかなかった。

ある意味納得して安心した。
あっという間に作曲もせず録音して
仕上げたんだろうと思ったのだ。
こんな音楽を録音するのに
コード表はもちろん譜面はないと。


だが、キャプテン・ビーフハートに関する書籍などを読んでいると
違うのではないかというのがわかってきた。

マジック・バンドのメンバーだった
ズート・ホーン・ロロ(ビル・ハークルロード)の
『ルナー・ノーツ―キャプテン・ビーフハート』
という書籍を読んで行くうちに
俺が聞いていた噂は
大事な部分が間違っていることに気がついた。


即興演奏を許されていたのは
キャプテン・ビーフハートだけだったのだ。
あとのマジック・バンドのメンバーは
レコーディングで即興演奏は禁じられていたのだ。


どうやって作られたのかを知ると本気で狂気じみている。


キャプテン・ビーフハートは
9ヶ月(ズート・ホーン・ロロの証言)に渡って、
バンドと共同生活をして、
1日12時間、他の証言では14時間、
とりあえず毎日12時間以上、
リハーサルをし続けたのである。


なぜ、9ヶ月も毎日12時間以上も
リハーサルをしなければならなかったのか!

噂の一部が本当だったのだ。


なんとキャプテン・ビーフハートは作曲を
本当に演奏経験のないピアノで作曲したのである。

しかも音楽知識を持っておらず、
あらゆるジャンルの音楽の枠からはみ出た楽曲を作り続けたのだ。

自分の気に入るメロディやリズムを見つけるまで
演奏経験のないピアノで作曲し続けたのである。
もうこの時点で狂気じみている。


しかも、それをバンドメンバーの
ドランボことジョン・フレンチに記譜させた。
ビーフハートが気に入ったメロディなどが出てくるまで
ずっと記譜。


俺ならバンドを脱退している。


が、カルトの教祖の如くキャプテン・ビーフハートこと
ドン・ヴァン・ヴリートは、
バンドメンバーを自分のコントロール下に置き、
カルト団体顔負けの団体生活で練習をさせたそうである。


その生活は極貧でメンバーは食料を万引きして逮捕され、
フランク・ザッパが手を回して釈放したこともあったらしい。


またピアノだけでなく口笛で出てきたメロディなども記譜させた。


そのドランボことジョン・フレンチによって
記譜されたメロディ、リズムの断片を
キャプテン・ビーフハートことドンが
最終決定者ではあったが、
ドランボことジョン・フレンチが
どの楽器で演奏させるかを振り分けたそうである。


だから、俺がメロディ、リズムがめちゃくちゃで
バンドメンバーがてんでばらばらに
各々の楽器をかき鳴らしていると思ったのは
間違いではなかったのだ。
が、譜面通りに演奏されたものだったのである。


その正直デタラメなメロディ、リズムをバンドメンバーには
一音すら外させずに演奏させるために
ひたすら9ヶ月毎日12時間以上リハーサルさせ覚えさせたのだ。
ただキャプテン・ビーフハートことドンだけは
即興を許されていた。


ズート・ホーン・ロロの証言。

「俺はなんとなくもう『奴隷犬』みたいになりかけていた。
不可能と思われるパートの練習に3時間も悪戦苦闘し続けて、
豚のように汗まみれになっていたのを思い出すな。
実際、それは絶対に不可能だったんだ! 
最終的に俺はその80%ぐらいを達成し、
俺にできる限りのことはやったという結論に落ち着いたが、
それは実に9ヶ月の間この曲を練習続けた後のことだ! 
何より最悪なのは、
どこで曲が終わるか、曲の長さがどのくらい引き延ばされるのか、
いつ変更されるのかもわからない。
はっきり言ってドンの気まぐれ次第だったんだ」


だから、このアルバムのビーフハート以外の演奏は
寸分の狂いもなく譜面通りに演奏されているのである。


このアルバムを聴いたことがある人は
即興で演奏されたデタラメな音楽と思っているほとんどだろう。

が、譜面通りにキャプテン・ビーフハートことドンの頭の中にあった
音楽をそのままきっちりと演奏した作品であるのが真実らしい。


そして過酷なカルト的な団体生活で
9ヶ月毎日12時間以上練習してきたことによって
録音からミキシング作業を含めて4日以内に完成したらしい。


この作品をプロデュースしたフランク・ザッパは
この時のキャプテン・ビーフハートとマジック・バンドの
一体感を見て聴いて衝撃を受けた。

このアルバムの録音終了後、
自らのバンド、マザーズ・オブ・インベイジョンを解散させいる。
この噂は本当だった。

フランク・ザッパの新たなスタートの一歩となったのである。


『トラウト・マスク・レプリカ』は
LP時代は2枚組だったアルバム。
CDでは1枚78分51秒で
全28曲もある。


俺はおそらくこのアルバムを10回目ぐらい聴い頃から、
なんだか毎日聴ける音楽ではないかもしれないが、
これはとんでもない傑作なんではないのかと思い始めてきた。


今では平気でCDでアルバムを全部聴けるようになった。
特に俺の心が欲した時、そう自暴自棄になった時。


『トラウト・マスク・レプリカ』を名盤を紹介する
書籍やサイトはたくさんある。

が、多くの名盤とされるアルバムのなかで、
一番、売れていない作品が
今作『トラウト・マスク・レプリカ』だろう。

日本市場を相手にしたJポップの売上の良い作品より
全世界で売られている今作の方が売れてないと思う。


だけど俺は2枚もっている。
版権がフランク・ザッパのZappa Recordsに移り、
2013年に売りだされたCDがRemasterされたので、
買ってしまったのだ。

さすがにRemasterされて音がいい。

が、大手レーベルじゃないので、
異様に値段が高ったけど。



最後に、このアルバムに関わった人々。

Musicians

Captain Beefheart (Don Van Vliet)
lead and backing vocals, spoken word,
tenor saxophone, soprano saxophone,
bass clarinet, musette, simran horn,
hunting horn, jingle bells,
producer (uncredited), engineer (uncredited)


The Magic Band

Drumbo (John French)
drums, percussion,
engineer (uncredited on the original release)

Antennae Jimmy Semens (Jeff Cotton)
guitar, "steel appendage guitar" (slide guitar using a metal slide),
lead vocals on "Pena" and "The Blimp",
"flesh horn" (vocal with hand cupped over mouth) on "Ella Guru",
speaking voice on "Old Fart at Play"

Zoot Horn Rollo (Bill Harkleroad)
guitar, "glass finger guitar" (slide guitar using a glass slide),
flute on "Hobo Chang Ba"

Rockette Morton (Mark Boston)
bass guitar, narration on "Dachau Blues" and "Fallin' Ditch"

The Mascara Snake (Victor Hayden)
bass clarinet, backing vocals on "Ella Guru",
speaking voice on "Pena"


Additional personnel

Doug Moon
acoustic guitar on "China Pig"

Gary "Magic" Marker
bass guitar on "Moonlight on Vermont"
and "Veteran's Day Poppy" (uncredited)

Roy Estrada
bass guitar on "The Blimp" (uncredited)

Arthur Tripp III
drums and percussion on "The Blimp" (uncredited)

Don Preston
piano on "The Blimp" (uncredited)

Ian Underwood and Bunk Gardner
alto and tenor saxophones on "The Blimp" (uncredited/inaudible)

Buzz Gardner
trumpet on "The Blimp" (uncredited/inaudible)

Frank Zappa
speaking voice on "Pena" and "The Blimp" (uncredited);
engineer (uncredited);
producer

Richard "Dick" Kunc
speaking voice on "She's Too Much for My Mirror" (uncredited);
engineer

Cal Schenkel
album design

Ed Caraeff and Cal Schenkel
photography



Captain Beefheart And His Magic Band - Trout Mask Replica
Track listing
1. Frownland
2. The Dust Blows Forward 'N The Dust Blows Back
3. Dachau Blues
4. Ella Guru
5. Hair Pie: Bake I
6. Moonlight In Vermont
7. Pachuco Cadaver
8. Bills Corpse
9. Sweet Sweet Bulbs
10. Neon Meate Dream Of A Octafish
11. China Pig
12. My Human Gets Me Blues
13. Dali's Car
14. Hair Pie: Bake II
15. Pena
16. Well
17. When Big Joan Sets Up
18. Fallin' Ditch
19. Sugar 'N Spikes
20. Ant Man Bee
21. Orange Claw Hammer
22. Wild Life
23. She's Too Much For My Mirror
24. Hobo Chang Ba
25. The Blimp (mousetrapreplica)
26. Steal Softly Thru Snow
27. Old Fart At Play
28. Veteran's Day Poppy


Captain Beefheart And His Magic Band - Frownland


Captain Beefheart And His Magic Band - Dachau Blues


Captain Beefheart And His Magic Band - Ella Guru


Captain Beefheart And His Magic Band - Moonlight In Vermont


Captain Beefheart And His Magic Band - Dali's Car


Captain Beefheart And His Magic Band - Pena


Captain Beefheart And His Magic Band - When Big Joan Sets Up


Captain Beefheart And His Magic Band - Wild Life


Captain Beefheart And His Magic Band - The Blimp (mousetrapreplica)


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